
ふたご座は、冬を代表する星座のひとつで黄道十二星座にも含まれています。
カストルとポルックスという兄弟の悲しい神話がその由来です。
ふたご座といえば流星群で有名です。
毎年12月には1時間に100個もの流星を観察できます。
2006年に惑星から準惑星へ降格になった冥王星は
ふたご座δ星のすぐ近くでみつかりました。
- 軌道がぐちゃぐちゃ?2×3で6連星の 「カストル」
- 流れる星の多さはナンバーワン 「ふたご座流星群」
- 昔は惑星だったけど無念の降格 「冥王星」
などがふたご座の代表的な天体です。
このページでは、ふたご座の由来となったギリシャ神話や、ふたご座に含まれる天体たちを楽しく解説しています。
星占いにも登場するふたご座の見つけ方
ふたご座は冬を代表する星座のひとつで、おうし座の角の先にあります。
ポルックスとカストルというふたつの明るい星が並んでいるのが特徴で、星座のかたちはほぼ長方形です。
ふたご座は「黄道十二星座(こうどうじゅうにせいざ)」にも含まれています。
黄道十二星座は、太陽の通り道(黄道といいます)にある13個の星座のうち、へびつかい座を除いた12の星座です。
星占いでおなじみの星座ですね。
5月27日生まれは「ふたご座」、10月2日生まれは「てんびん座」というアレのことです。
西洋占星術では正式には「黄道十二宮」といいます。
ふたご座のルーツは古く、紀元前2000年頃の古代メソポタミア文明、古代バビロニアの時代には星座になっていました。「最高神マルドゥク」と「知恵と書紀の神ナブー」の2人をあらわしていたそうです。
ポルックスは、おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲル、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、こいぬ座のプロキオンと一緒に「冬のダイヤモンド」を形づくっています。
では実際の星空でふたご座を探してみましょう。
わかるかな〜
カストルとポルックスがわかるでしょうか。
画面左よりに縦に並んでいますね。
なお、右端にみえているのはオリオン座のベテルギウスです。
ふたご座にまつわる神話〜神の血が運命をわけた悲劇の兄弟の物語
大神ゼウスとスパルタの王妃レダのあいだに生まれた双子、カストルとポルックス兄弟の物語です。
さて、ギリシャ神話の最高神で女狂い、もとい、女好きのゼウスが、あるときスパルタの王妃レダに恋をします。
王女ではなく王妃です。
王様のお妃です。
つまり人妻です!!
そう、ゼウス御大は、今回はあろうことか他人様の奥方にロックオンしてしまいます。
レダに近づくためにゼウスは白鳥の姿になりました。
どこかで聞いたような話ですね。
今回のゼウス変装シリーズは「白鳥」というわけです。
おうし座の物語では牡牛に変身していました。
なんやかんやあって結局ゼウスの作戦は成功し、レダはカストルとポルックスという双子を生みます。
なお、このときの白鳥は「はくちょう座(夏の星座)」になっています。
うまれた双子のうちカストルは普通の人間でしたが、ポルックスはゼウスの血をひいて不死でした。
この違いが将来悲しい物語を生むことになります。
さて、カストルとポルックスはすくすくと成長し、勇敢な戦士としてギリシャ中に名をとどろかせていました。
ふたりは多くの戦に参加して武功をたくさんあげます。
しかし、メッシニアの戦いでカストルが矢傷を負って死んでしまうのです。
普通の人間の肉体をもつカストルはあっけなく絶命してしまいました。
ともに戦場を駆けていたポルックスは嘆き悲しみます。
不死である自分の肉体を呪います。
悲しみに暮れたポルックスは、父ゼウスに不死を解いて欲しいと願いました。
自分もカストルと一緒に死にたいと懇願したのです。
願いを聞き入れたゼウスはふたりを星座にしました。
カストルとポルックスを祀った神殿の遺跡がイタリアのローマにあります。
「カストルとポルックス神殿」または「ディオスクーロイ神殿」と呼ばれ、紀元前495年に建てられました。
6つの太陽が夜空を照らす? 6重連星カストル
ふたご座のα星で2等星。
ちなみにふたご座β星のポルックスのほうが少し明るい1等星です。
カストルは肉眼だとひとつの星に見えますが、望遠鏡を使うとふたつの星がみえます。
つまり連星というわけです。
さらに高度な分光器を使って観測すると、なんと2重星が3つあることがわかります。
2かける3で全部で6つ。
6重連星という珍しいタイプの恒星です。
近くの星系では複雑な軌道で回り合う6つの太陽があるようなイメージでしょうか。
想像してみるとなんだかにぎやかな空です。
三大流星群のひとつ ふたご座流星群
ふたご座流星群は三大流星群のひとつです。
三大流星群とは
1月のしぶんぎ座流星群
7〜8月のペルセウス座流星群
12月のふたご座流星群
です。
ふたご座流星群は毎年12月14日ころにカストル付近を放射点としてみられる流星群で、ピーク時(極大)には1時間に100個以上もの流星を観測できることもあります。
むかしは惑星だった・・・無念の降格 冥王星
1930年にふたご座δ星のすぐ近くで冥王星が見つかりました。
発見まではにいろいろなドラマがあったことも手伝って、太陽系9番目の惑星として大きな話題になりました。
天文学者クライド・トンボーが、アメリカ合衆国アリゾナ州にあるローウェル天文台で発見しました。
下の写真がローウェル天文台です。
(参考元:Lowell Observatory)
理科の授業で「水・金・地・火・木・土・天・冥・海」と習った人も多いハズ。
しかし、、、
悲しいかな2006年の国際天文連合の会合で無念の降格。
惑星から準惑星に格下げになりました。
ちなみに、冥王星のサイズは月よりも小さいです。
準惑星へ降格したのもしかたがないかもしれませんね。